古今東西南北中央のべつまくなし

漫画のことをメインに、だらだら趣味について書き連ねる素人のオナニーブログ

漫画:絢爛たるグランドセーヌ

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東西南北中央的いまこのマンガを読め!その2。

 

絢爛たるグランドセーヌ(著:Cuvie)

 

内容は至って王道のスポーツ(バレエをスポーツと呼ぶのは相応しくないような気がするが)漫画。クラシックバレエの魅力に魅せられた少女、(かなで)がバレエの世界に飛び込み、険しいプロバレエの階段をひたむきに登っていく物語である。掲載誌に似つかわしくない作風で浮いているとたびたび指摘されるのは公然の秘密。

ちなみにキャラが立ってなくて弱いという意見を以前聞いたことがあるが、ボクはそんなことはないと思うゾ

 

 

著者はCuvieきゅーびー)氏。ベテランの女性エロ漫画家である。今もペンギン◯レブや快◯天ビースト等で定期的に掲載している。一般誌デビュー後に一切成年誌で描かなくなるどこぞのエロ漫画家とは大違いの多作家にも関わらずファンの期待に応え続ける知る人ぞ知る素晴らしい女性漫画家である。

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バレエとかつま先でくるくる踊るぐらいしか知らないよ?と思ったそこのキミ、案ずることなかれ。そこはエロ漫画の巨匠Cuvie先生、バレエのバの字も知らない無知蒙昧の無学の徒を啓蒙するが如くとても分かり易く丁寧にクラシックバレエの世界を教えてくれるので安心安全だ。

 

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ただし、えっちい漫画を期待していた男性諸氏には申し訳ないが、この漫画は普段のCuvie先生とは真逆の健全度300%の構成となっておりますのであらかじめご了承ください。

 

 

キャラクターたちのバレエを取り巻く描写の中でも、特に作者の強い意気込みを感じるのが、バレエを続ける子どもを支えていく親御さん、すなわち家族の姿だ。

 

主人公奏の家庭は両親が共働きのマンション住みの中流家庭で、奏が自室での自主トレに気を遣ったり、両親が娘の夢のために今後の家計の相談をする場面が随所にある。

 

このように家庭環境、家族の関係を、漫画のメインであるバレエ描写と同じくらい、ひょっとするとそれ以上に丁寧かつ大切に描かれている。

 

真剣にバレエの道を進みたいという娘の覚悟に親も相応の覚悟で応えるシーンは、おそらく作者が読者若しくは子を持つ親に強く伝えたい作中随一のキーポイントではなかろうか。

 

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往々にしてスポーツや音楽、芸術の道を究めるためには家族のサポートは当然必要なものとされていて、何より家庭の経済状況に大きく関連するのは、もはや昨今の常識と言っていいだろう。現実でも成功したアスリートたちの家族とのそうしたエピソードの数々は、ここで挙げるまでもない。

 

映画リトル・ダンサーも同じくバレエを扱った名作だが、こちらも父子の関係と家庭の経済状況によるジレンマがテーマとして描かれとても印象的だった。というか観た方がいい。感動のあまり咽び泣いた

 

 

物語はまだ奏が中学生になっていないので、まだまだこれからが本番というところだ。

 

ライバルや親友たちと共に切磋琢磨し合い、時には期待に胸を膨らませ、時には挫折を味わいながら、少女は夢に向かっていく。

 

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一読者として、奏たちの成長を楽しみながら見守っていきたい。

 

 

 

打ち切りにならないことを祈りつつ……

 

 

興味を持ったならCuvie先生を応援するために是非とも単行本を買おう!!!!!!!!!

てか買え!!!!(既刊5巻)

 

 

絢爛たるグランドセーヌ 1 (チャンピオンREDコミックス)

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絢爛たるグランドセーヌ(5): チャンピオンREDコミックス

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リトル・ダンサー [Blu-ray]

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