古今東西南北中央のべつまくなし

漫画のことをメインに、だらだら趣味について書き連ねる素人のオナニーブログ

漫画:まんがサイエンス

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まんがサイエンス(著:あさりよしとお

連載開始は『5年の科学』(学研)1987年10月号、当初は『5年の科学』のみに連載。その後掲載誌の休刊により何度も連載が中断されるものの、2012年5月発売の『大人の科学マガジン』Vol.34 デルタ・ツイスターより連載を再開している。発表形式が変わりながらも20年以上の連載を続けるという、学習漫画では類例のないロングヒット作品となっている。既刊14巻。(Wikipediaより)

 

今回は普段漫画雑誌を読んでいても目にすることはほぼないであろう学習漫画ジャンルからご紹介しようと思う。ていうか読んでいてもお前の紹介する漫画なんて毎回どれも聞いたことすらねーよというツッコミはナシで。

 

あとなんとなく文体をいつもより真面目に……

 

学習漫画とは、ご存知でなくてもおおよそその名から予想できる通り、漫画を読むことで児童の学習意欲を高めたり、理解を助けることが主題の漫画ジャンルで、その中でもこの漫画は特に素晴らしいのである。

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作者はあさりよしとお氏。検索してみると海坊主みたいな厳ついオッサンが出てくる。

まんがサイエンスというタイトルだけあって、子どもが感じる科学系の疑問を分かり易く学習する内容の一話完結型の漫画なのだが、その何が素晴らしいのかというと、物語の展開、いわゆる起承転結に沿って、問題提起→考察→検証→結論の過程が懇切丁寧に行われ補足の説明までばっちりフォローされた、その学習プロセスを取りまとめる完成度の高さだ。

例えば『宇宙に行きたいけれど、どういった宇宙旅行がしたいの?→人工衛星のように地球の周りをぐるぐると→じゃあ人工衛星のように飛ぶ仕組みはどうなっているのかな?→ヒントを出しながら色々考える→小さな理解を積み上げていく→見事結論に辿り着く』このように読者を導き、科学理論の理解という目標を達成できるのだ。

とまあ、よく考えなくとも至極当たり前の教え方をしている。

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  • ↑“こちら側のどこからでも切れます”の小袋の仕組みについて

 

これでは別段意外性を感じないかもしれないが、興味を持たせながらそれを失わせずに次々と興味の対象を誘導させる、小気味好いテンポで進む単純な構成は見事なものである。

何かを勉強して理解できても、理解したその何かを他人に説明することは、さらに難しい。分かり易く説明するとなれば理解までの思考のプロセスを整理整頓して順序立てて、理屈を結論まで丁寧に積み上げなければならないので、受け手に易しい説明ほどなおさら難しいはずである。

つまり、インプット(入力)とアウトプット(出力)の性質は異なるということだ。

実際この紹介記事を書いていて、自分の頭の中にある感覚を言葉にして、なるべく受け手と齟齬が小さくなるような文章を自分なりに精一杯に表現しているが、日頃こうしたアウトプットの作業を怠っているせいで非常に四苦八苦している次第である。

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学習を分かり易く進行させるという意味で登場人物たちの個性・役割が分担されているのもこの漫画に限らず学習漫画に特徴的な傾向だ。

 

この漫画は男女2人ずつのレギュラーキャラの四人の小学生と、扱うトピック毎にシンボリックに擬人化された専門家役のキャラによって大体の話は進行していく。

よしおくんは真面目キャラの少年で、主に女の子たちのボケにツッコミをする場面が多い。博識で、まなぶくんと同様に知識を披露する場面も多い。

あさりちゃんはショートカットの女の子で、疑問に対する回答として天然ボケをかますことが多い。あやめちゃんと比べると良識的でバランスのとれた反応をする。

まなぶくんは眼鏡をかけたレギュラーでは一番地味な少年で、よしおくんと同じような役割に回る。けっこう意地っ張りだが空気は読める。それ故に地味。

あやめちゃんツインテールの元気いっぱいでお調子者の女の子。四人の中で一番キャラが立っており、とても目立つ。うかつな発言や行動が多く、とんでもないボケをかまして他の子や専門家を呆れさせたりする。そのせいか専門家の分かりやすい例えの標的にされて、酷い目に遭いまくるが、全くめげないバイタリティーを持つ。まさに不死身不屈。いろんな意味で一番話にメリハリをつけるおいしいポジションにいるので、彼女がいなければこの漫画の面白さは大きく削がれてしまうだろう。

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  • ↑その一例。

 

こうした個性的な小学生キャラと専門家キャラがコントやギャグを交えながら、面白おかしくも楽しんで学習することが出来るので、これをきっかけに興味を持って頂けたのなら、是非とも手に取ってもらいたい。おそらく後悔する結果にはならないだろう。

 

 

作者のあさりよしとお氏はこれ以外にも面白い漫画を描いているのでそちらもオススメ。

代表作はまんがサイエンス宇宙家族カールビンソン、るくるくなど。

ちなみに自分が好きなのはワッハマン。これも機会があればまた今度書きたい。

 

なによりも出版目前で幻となったラジヲマンの単行本を心待ちにしています。

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ラジヲマン※1992〜1994年、2007年の漫画です

 

まんがサイエンス (ノーラコミックスDELUXE)

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